2014年7月13日(日)『多摩川カヌー教室』 活動報告

開催日時:7月13日(日) 【午前の部】8:50~11:40 【午後の部】12:30~15:20
開催場所:多摩川 丸子橋下
プログラム: カヌー教室 救急講習
参加人数:159名(スタッフ含む)

2014年7月13日(日)、真夏にはむしろありがたい曇り空の中、『多摩川カヌー教室』を実施いたしましたので、その報告をします。

 『多摩川カヌー教室』は、午前・午後の2部構成となっており、いずれも同一内容を実施しています。また、午前・午後にお集まり頂いた60名に、カヌー教室から受講するグループと、救急講習から受講するグループの二班に分かれてご参加いただきました。
 受講内容はいずれも同じものとなっておりますので、カヌー教室と救急講習に分けて報告します。

【カヌー教室】
○カヌーの種類 特徴
 カヌーには、オープンデッキカヌー(カナディアンカヌー・インディアンカヌー)とカヤックと呼ばれるカヌーがあり、カヌーの操作を行うパドルと呼ばれる櫂(かい)にも違いがあるとの紹介がありました。
 オープンデッキカヌーでは、水かきがシャフトの片側にだけ有る「シングル・ブレード・パドル」を用い、カヤックでは、水かきがシャフトの両端にある「ダブル・ブレード・パドル」を用いるそうです。
【写真】 オープンデッキカヌーとシングル・ブレード・パドル
オープンデッキカヌーシングル・ブレード・パドル

【写真】 カヤックとダブル・ブレード・パドル
カヤックダブル・ブレード・パドル

○カヌーに相応しい服装 靴
 カヌーに相応しい服装は、ナイロン製の服が良いそうです。これは、コットン素材のものと比較したとき、陸上に上がったときに水の乾きが早く、低体温症になりにくいということからでした。
 また、カヌーに相応しい靴とは、ウォーターシューズのように底の柔らかいものが良いとのことでした。これは、スニーカーのように底が厚く堅いものでは、沈んだときなど、急いでカヌーから抜け出すときに引っかかってしまうということでした。一方、皮膚が露出しているサンダルでは、流木、鋭利な岩、岩肌、ゴミなど川の中の危険物で怪我をしやすいため、これも相応しくないそうです。

○ライフジャケットの着用
 川遊びの事故で不幸な結果となってしまったケースを検証すると、「もしライフジャケットを着用していれば助かった可能性が高い」そんなケースが数多く報告されているそうです。今回のカヌー教室では、もちろん川に入る全員が着用し、特に着用方法についてもしっかり指導していただきました。
 着用のポイントは、折角ライフジャケットを着用しても、ブカブカではジャケットだけが浮いてしまい、本人が沈んでしまうことがあるため、窮屈でも、ベルトなどをきつく締めることだそうです。
【写真】 ライフジャケット着用風景
ライフジャケット着用風景ライフジャケット着用風景

○カヌーの操作方法
 今回は主にカヤックに乗船してもらいました。そこで、まずカヤックへの乗り降りの仕方、続いてパドルの使い方を指導してもらいました。  特に降り方は、沈んだときの脱出方法であることから、陸上で入念にイメージを膨らませるようにとの指導がありました。
【写真】 カヤック乗船方法
カヤック乗船方法カヤック乗船方法
カヤック乗船方法カヤック乗船方法

【写真】 カヤック降船方法
カヤック降船方法カヤック降船方法
カヤック降船方法カヤック降船方法

○体験乗船
 いよいよ体験乗船です。こちらは写真をご覧いただきましょう。
・【写真】 午前の部 1班 へ
・【写真】 午前の部 2班 へ
・【写真】 午後の部 1班 へ
・【写真】 午後の部 2班 へ

【安全講習】
○海難救助について
 ・自分自身の安全は、自分で判断して確保する。
 ・むやみに他人を助けようとしない。
 栗田講師が特に強調されていたことは、この2点でした。
 まず1点目の「自分自身の安全は、自分で判断して確保する。」これは、これまでの常識では、「安全に関する責任者の指示を待って行動する。」というものでしたが、2011年3月の東日本大震災以降、この人命救助に関する考え方が変化してきているということからでした。
 東日本大震災では、責任者の指示を待っていたばかりに、その集団全体が逃げ遅れてしまったケースが報告され、現場に混乱が生じたとしても、むしろ個々人がそれぞれの判断で自身の安全を確保したほうが、助かるケースが多いという考え方から、このような説明がありました。
 次に、「むやみに他人を助けようとしない。」これも、一見道義に反するように聞こえますが、むやみに他人を救助しようとして、水に飛び込んだばかりに、二次災害に巻き込まれるケースが数多く報告されていることを受けて、このような指導がありました。
 では、「むやみではない」救助とは何か。箇条書きにすると、
 ・子どもであれば大人を呼ぶ。
 ・浮き輪などを投げる。
 ・ロープなどを投げる。
 と、直接救助者が水へ入らずに助ける方法でした。  そして、最後に「ヒューマンチェーン」という救助方法を指導していただきました。
 これは、単身被災者の下へ飛び込むのではなく、岸から人が鎖状になって被災者の元まで助けに行くというものです。ポイントは、横一列に繋がって助けるのですが、交互に前後逆向きに繋がり、互いの手首を握るというものです。また足は前後に軽く開き、川の水圧に踏ん張りが利くようにします。
【写真】 ヒューマンチェーンの講習風景
ヒューマンチェーンヒューマンチェーン

 いずれも多くの事例から学んだ、安全のための救助方法でした。

○応急処置の方法について
 続いて、バンダナ 三角巾 ストッキングを使った応急処置の方法について、高橋講師から指導がありました。
 いずれも身近にある道具を使って応急処置を施すもので、バンダナを用いた応急処置については、参加者は2人組みとなって処置方法を受講しました。
応急処置応急処置
応急処置応急処置
応急処置応急処置
応急処置応急処置

【今回、ご協力頂いた皆様】
■カヌー指導者
遠藤 光紀さん ・ 藤井 慈さん ・ 高橋 義人さん
多摩川リバーシップの会
大田区カヌー協会
神奈川カヌークラブ
勝島運河倶楽部

■安全講習
栗田 嘉也さん ・ 高橋 雄二さん

■安全管理
丸子ボート中原屋
法政大学小島ゼミ
とどろき水辺の楽校

■共催
川崎市市民こども局スポーツ室

■協力
川崎市建設緑政局多摩川施策推進課

この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 平成14年から続くこのイベントは、大変な好評を頂いており、参加は事前の抽選制となっております。今回ご参加頂いた皆様はもちろん、惜しくも抽選にもれてしまった皆様も、是非次回のご応募をお待ちしております。ありがとうございました。
 



【次回予定】
2014年7月23日(水)、24(木) 『夏休み多摩川教室』 出展

場 所 : 調布市京王多摩川河川敷
主 催 : 国土交通省京浜河川事務所
「とどろき水辺の楽校」では草木染のブースを出します。
平成26年 第24回 夏休み多摩川教室 のお知らせ(PDFファイルが開きます。)

詳しく主催者のHPをご覧ください。
京浜河川事務所 ホームページ
京浜河川事務所 夏休み多摩川教室 平成25年 24年活動報告